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「かき船」から90年、伝統の中に新しさを 加古川のカキ料理専門店

加古川のカキ料理専門店「かき庄」のかき鍋

加古川のカキ料理専門店「かき庄」のかき鍋

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 加古川のカキ料理専門店「かき庄」(加古川市加古川町、TEL 079-422-2178)が、10月に創業90年を迎えた。

河川の上に店を構えるカキ料理専門店

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 1926(大正15)年に創業したカキ店。店内は松の間、桐の間、竹の間(各6畳)と、大人数に対応した奥の間の計4部屋、その他入り口に座敷2テーブル、半個室1テーブルを用意。

 地元加古川で「川の上にある料理屋」で知られる同店は 「元々、川辺に係留した船でカキ料理を振る舞う『かき船』から始まり、そのまま料理店舗に至ったらしい」と話す店長の田原隆さん。現在も河川(用水路)の上に店を構える。1961(昭和36)年に火事で焼失、移転を余儀なくされたものの、「かき船」のイメージ残すため、場所をそのままに再建した歴史があるという。

 「カキ専門店として90年の伝統がある一方、世の中の流れとともにニーズも変化するため、少しずつ新しいことを提案していかなければならない」と話す田原さん。店内での牡蠣料理の提供だけでなく、客が持ち帰りできるオリジナル商品を開発。県外からの客が訪れた際、「何か土産となるものができないか」という意見がきっかけという。

 商品は「かき佃煮(100グラム)」(648円)や「牡蠣塩(35グラム・瓶入)」(280円)、「かきの実(80グラム)」(594円)など土産用の牡蠣商品をはじめ、地元のブランド肉を使った「加古川和牛しぐれ煮」(70グラム= 864円、100グラム= 1,296円)なども提供。第56回全国水産加工たべもの展佃煮部門で大阪府知事賞のほか、各賞を受賞し地元活性化にも一役担う。昨年からは地元商業施設「ヤマトヤシキ加古川店」でのカキ商品と総菜販売のほか、仕出し割烹「しげよし」と提携した会席やお弁当の提供も始めた。

 同店3代目代表の畠山愛子さんは「いわゆる老舗といわれる店は特別な時に利用する店。しかし、できるだけ気軽に使って欲しいのが本音」と笑顔を見せる。2000年の75周年から始めた記念イベント「創業祭」は今年で25回目となる。「地元(加古川)に少なくなった専門料理店。少しでも長く地元で営業できるよう取り組んでいきたい」と話す。

 営業時間は、11時~14時、17時~22時。90周年創業祭は10月20日~25日(要予約)。

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