小中学生に高齢者などと交流しながら福祉への関心を高めボランティア活動について学んでもらおうと「チャレンジ!ジュニアボランティア2019」が8月21日、高砂市立中央公民館兼伊保公民館で開かれた。主催は高砂市社会福祉協議会。
同企画は、夏休みに合わせて毎年行われているもので、今年は小中学生8人とその保護者、高齢者5人が参加した。今回は災害食がテーマとなっており、松陽高校の生徒らが講師となり、災害時に食器や洗い物を減らす工夫をした食事を実際に作って試食をしたり、缶詰パンの開発についての取り組みを聞いたりした。
調理では、一食分ずつビニール袋に入れたカレーとココアケーキを作り、参加者は、袋に入れて調理することで洗い物が少なくなり災害時に貴重となる水を節約できることや取り分ける作業も簡素化できることを学んだ。
参加した小学5年生の浪越柚妃さんは「学校で防災を学んでいるのでお母さんと一緒に来た」といい、母の尚美さんは「家で防災について準備をしておく啓発のプリントを見て良いタイミングと思い参加した。調理のアイデアを知り実際に体験できてよかった」と話す。
松陽高校の生徒が地元企業などと協力して開発した缶詰にしたブルーベリー味のパン「松の陽だまりパン」の紹介では、同校の生徒、助友愛理さんと山本梨央さんがこれまでの経緯を発表した。このパンは、乾燥して固い乾パンではなく、柔らかくお年寄りにも食べやすいように工夫されているのが特徴で、災害備蓄用として3年間保存できる。
2人は、西日本豪雨災害でのボランティア活動や災害食の必要性や、市内の防災訓練で試食してもらいアンケートをもとに改善したことなどを丁寧に話した。最後には、試食が用意され参加者は「おいしい」と食べていた。
主催した同協議会の田中美鈴さんは「料理を一緒に作ることで子どもも高齢者もお互いに声の掛けやすい雰囲気ができていた。福祉について考えるきっかけになったのでは」と話す。