加古川の東溝之口公民館(加古川市加古川町)の壁面に、加古川が氾濫した際の「想定浸水深」を示すラインのペイントが施された。11月20日、住民へのお披露目と説明が行われた。
「想定浸水深」は想定し得る最大規模の降雨により河川が氾濫した際に浸水する深さ。同館周辺の東溝之口地区は一級河川加古川から約1キロの場所に位置し、兵庫県が2019年8月に公表した「洪水浸水想定区域図」によると概ね1000年に1回程度の大雨で3メートル~5メートル浸水するという。これを受け同町内会では公民館の壁面4メートルの高さに「想定浸水深」を示す青色のラインをペイントした。同町内会長の山内貞人さんは「4メートルは建物2階のひざの高さ程度だが実感が湧かないと思い、目で見て分かる方法を考えた。万が一の時はどうなるのか、危機感を持ってほしい」と話す。
お披露目には地域住民約100人が参加。「想定浸水深」の説明の後、同町内会が大雨の際に推奨する避難場所の陵南中学校(野口町)までの避難経路を歩く「防災ウオーキング」も行った。4人家族で参加した女性はペイントを見て、「大雨の時はどうなるのかあまり考えていなかったが、実感が湧いた」と話す。同町内会の内海秀子副会長は「たくさんの住民に見てもらえて自覚してもらえたのでは。防災意識を高めていきたい」と話す。