平之荘神社(加古川市平荘町)がロケ地となった映画「ヴィレッジ」が4月21日、全国の映画館で公開される。
俳優の横浜流星さんが主人公を演じ、藤井道人さんが監督を務めた。閉鎖的な村を舞台に環境問題から若年層の貧困まで日本社会のひずみを描くヒューマンサスペンス映画。
同神社では昨年5月16日・17日に出演者、スタッフ、関係者などを含めおよそ300人が集まり、1688年に建立されたといわれる能舞台や拝殿、社務所などで撮影が行われた。加古川観光協会にも「ひょうごロケ支援Net」を通して依頼があり、撮影協力を行った。
撮影に立ち会った同協会の古田祐輔さんは「スタッフ・出演者の駐車場や待機場所などの調整に協力した。加古川の河川敷を利用したほか、隣接する報恩寺や平荘小学校、両荘幼稚園にも協力していただいた」と話す。
宮司の大西荘平さんは「撮影では主人公が住む村に伝わる伝統的な薪能の儀式のシーンなど、主人公の内面の葛藤を表す重要なシーンが撮影された。現役の能楽師たちによる演奏の迫力は圧巻だった」と振り返る。
ほぼ全編が京都で撮影されたが、同シーンは本殿の正面に配置されている能舞台での撮影にこだわり、同神社がロケ地に決まったという。「撮影後、ポスタービジュアルで能舞台が使われているのを見たときは『ギャー』という声が本当に出た」と大西さんは笑う。
「映画の公開をきっかけに、たくさんの方に加古川の魅力が伝われば」と大西さんと古田さんはほほ笑む。