稲美町の地酒販売所「松村酒店」(稲美町)が1月22日、日本酒「純米吟醸 龍(りゅう)をあむ」の販売を始めた。
町内で農業に携わる松村芳樹さんが、地域の祭りで感じた「自分が作った米の酒を飲みたい」という思いから2022年に「稲美町地酒プロジェクト」を立ち上げ、2年越しで「純米吟醸 龍をあむ」の販売にこぎ着けた。
昨年6月に開催された、いなみ野へ水を引くために先人たちが奔走した淡山疎水をテーマとした稲美町民参加型ミュージカルが商品名の由来だという。松村さんも同ミュージカルに参加し、「水を引くためにたくさんの人が携わり、絡まるように人がつながり水路を造ることを表した「龍をあむ」というタイトルと酒造りで出会った多くの人とのつながりのイメージが重なって感じられた」と振り返る。
ミュージカルにも登場する神戸市西区神出町で十数年間、不耕起栽培してきた種を引き継ぎ、先人たちが築き上げた淡山疎水の水で育てた酒米からできた同商品。同町で日本酒を製造するキング醸造が製造を担当する。同社第2製造部チーフの吉田全慶さんは「冬場には松村さんとこうじ作りも一緒に作業した。米を作る努力や思いを間近に感じながら酒造りをすることができた」と話す。
松村さんは「酒の香りや米のうまみが感じられるようこだわりを持って作った。多くの人とのつながりからできたこの味を、ぜひいろいろな人に味わってもらいたい」と話す。
価格は3,000円(720ミリリットル)。Googleフォームで予約を受け付ける。