加古川の豆腐店「三代目 小川とうふ」(加古川市加古川町、TEL 079-422-6593)が3月16日、3カ月ぶりに営業を再開した。
昨年12月に90年の歴史に幕を閉じた「かこがわ新鮮食材市場『れんばい』」(加古川市加古川町)で庶民の台所として約90年間にわたって営業してきた同店。再開にあたり加古川総合庁舎の西側に店舗を移した。父から息子への世代交代に伴い、店名も「小川豆腐店」から「三代目 小川とうふ」へ変更し、親子四人で新たな一歩を踏み出す。
父親で2代目の小川卓男さんは「他店には負けないおいしい豆腐を作りたい、との思いでここまで続けてきた。お客さまから『おいしい』と言ってもらえることが何よりもうれしい」と話す。「加古川市内で当店のように店内で製造し販売する形態の店は、約30年前には30~40店あったが今では少なくなった。3代目には責任を持ってがんばってもらいたい」とも。
母親の富美子さんは「店舗での対面販売だけではなく、県内のスーパーマーケットや保育園、病院に配達もしてきた。100パーセント国産大豆を使い、豆乳濃度13度以上の豆腐がこだわり。小さなお子さまから高齢者の方まで安心して食べていただけることから何としても手作りを続けたかった。再開する場所がなかなか見つからなかったが、その一心でこの度の営業再開にこぎ着けた。これからも心を込めて作り続けたい」と話す。
「お薦めは『おぼろ豆腐』(1丁270円)。水に漬けないことでうま味が逃げず、大豆本来の甘みがそのまま味わえる一品」と言い、「おやつ感覚で食べられる甘さ控えめの『豆乳ボール(1個86円)』もぜひ食べてほしい。卵を使わないことでアレルギーを持っている方にも配慮した」と笑顔を見せる。
3代目の祐嗣さんは「今まで以上においしい豆腐を作ってお客さまに喜んでもらいたい。豆腐と言えば『小川』と思ってもらえるようになりたい。すでに試作段階のものも含めて新しいメニューを検討している」と意気込む。姉の郁代さんは「インスタグラムでも情報を発信している。看板娘として皆さまのご来店を笑顔でお待ちしている」と笑顔を見せる。
営業時間は10時~18時。日曜定休。