歴史体験「横穴式石室に入ろう!」が現在、加古川総合文化センター博物館(加古川市平岡町、TEL 079-425-5300)で開催されている。
同館中央に展示された巨大古墳「横穴式石室(中山1号墳)」の中に入って見学し、直接触れることができる。同古墳は権現ダム(同市平荘町中山)建設の際、水没することになっていたが、巨大石室を学ぶ実物資料として博物館内に移築復元された実物の古墳。期間中は普段撮影できない石室内の撮影が可能となる。
イベントを企画した博物館学芸員の岡田美穂さんは「夏休みに入り、イベントのちらしを見て多くの家族連れが訪れてくれるのがうれしい。古墳以外にも直接触れられる展示物やパズルもあり、遊びながら学べるので、歴史体験に来てほしい」と笑顔で話す。
「横穴式石室」は横方向に開口する石積みの墓室で、古墳時代後期(1400年前)に盛んに造られたという。「中山1号墳」は全長約30メートルの土盛された円墳内部にあった石室で、この辺りで大きな権力を持つ支配者の墓と考えられている。石室内部の全長は9.9メートル、玄室(げんしつ=石室奥にあるひつぎを納める部屋)の長さは5.0メートル、玄室の高さは2.0メートル。両袖式という羨道(せんどう、えんどう=通路)が袖部で左右に狭まった構造をしている。積み石には隣接する高砂市で多く産出される竜山石が使われている。
岡田さんは「本物の石室を見て古墳への興味を深めてほしい」と来館を呼び掛ける。
開館時間は10時~17時。第2、第4月曜休館。入館料は一般=200円(高校生以上)、4歳~中学生・65歳以上=100円(年齢確認証明書が必要)。8月31日まで。