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加古川の安楽寺に「関東大震災」供養碑の説明板 過去の災害経験後世に

建立された説明版

建立された説明版

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 加古川の安楽寺(加古川市志方町細工所)で9月1日、「関東大震災」の犠牲者を弔う供養碑の説明板除幕式が行われた。

説明版建立について話す住職の内海裕隆さん

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 1923(大正12)年9月1日に発生し、関東一帯を襲った関東大震災は、建物の倒壊や火災による犠牲者が14万人にも及んだとされる。加古川史学会の岡田功さんによると、震災から1カ月後、東京に住む親戚から加古川へ「念仏踊り」供養の依頼があったという。「念仏踊り」は死者を弔うために法要などで御詠歌に合わせて踊る風習で、同寺院にも踊りの同好会があったという。

 同年12月には、同寺の檀家(だんか)を中心に当時14歳から20歳前後の女性中心に両親、親戚合わせて20数人が大震災直後の東京へ自費で供養に向かった。一行は数日かけて立ち寄った浅草など数カ所で死者を供養する御詠歌に合わせ念仏踊りを舞い、数百万人の住民が足を止めたという。帰郷した一行は震災の犠牲者を弔うため「関東震災横死供養之碑」を同寺に建立した。説明板には供養碑の経緯などを記載した。

 同寺院住職の内海裕隆さんは供養碑について、「たまたま神戸にある書店で岡田さんが供養碑について書いた書籍を見つけ、自分の寺の境内にある碑の事を知った。買って帰って叔母に聞いたが、分からなかった。当時参加した人が生きているうちに詳しく聞きたかった」と話す。書籍を見つけた2週間後、岡田さんが同寺を訪れたことが説明板建立のきっかけになったという。岡田さんは「供養碑は地元の人々で継承すべきことだと思った。知ってもらうためには説明板が必要だと思った」と話す。

 内海さんは「震災当時、自費で行った一行はボランティアの先駆け。今後も過去の災害を忘れず、教訓を学んで生かしていけたら」と話す。

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