加古川市が現在、地元の戦争の歴史を知ってもらおうと製作した「かこがわ平和探検マップ」を無料配布している。
同市の尾上町、野口町、加古川町にある10カ所の戦争史跡を、当時や現在の写真をと共に紹介する同マップ。
太平洋戦争中、関西地方の防空の重要地点として機能し、終戦前には特攻隊員が九州にある出撃基地へ向かうまでの中継基地として使われたという旧陸軍の飛行場「加古川飛行場」(同市尾上町)や、同飛行場付近にあった高射砲第三連隊基地や航空通信学校の跡地のほか、弾薬庫跡や弾薬を運ぶための軍用線跡なども紹介する。
マップは一般用と小学6年生用の2種類を製作し、一般用はA4版とA5版を製作。合わせて約4000部を発行した。加古川市内の公民館や図書館などで配布し、市のホームページでもダウンロード配布する。小学6年生用は約2500部発行し、平和学習の教材として使えるよう市内の小学校に配布。訪れた日付や感想を記録できるようになっている。中学校の授業で使えるよう、マップの写真をB3サイズのパネルでも製作した。
市職員の西村かおるさんは「戦争が身近にあったことを知り、平和の尊さを考える機会にしてほしい。平和への願いを継承する一助となれば」と話す。