
当社は、4月1日を夢を発信する日にしようとするApril Dreamに賛同しています。このプレスリリースは「株式会社Nanka」の夢です。
近視は、極度のものを除いて、「メガネ」という対処法をみんなが知っていて、それが手に入る社会実装が行き渡っているからです。
では、「読み書き困難」はどうでしょうか。
日本の小中学生の約8%--クラスに2~3人は、読むこと・書くことに困難を抱えています。彼らの多くは「努力が足りない」と思われ、時には自分自身でもそう思い込んでいます。
私たち株式会社Nankaが開発する学習支援ツール「もじソナ」は、近視におけるメガネのような存在を目指しています。もじソナが全国誰でも使える環境が整っていて、必要な子どもが何も気負わず使って学びに向き合うことができる。
そのとき「読み書き困難が昔は障害だったんだって」と言える未来が来ると、私たちは信じています。
「障害」という言葉は強い響きを持ちます。でも、この記事で伝えたい「障害」は、「その人自身に問題がある」という意味ではありません。近視の歴史が、それをわかりやすく物語ってくれます。
メガネが発明されたのは、13世紀末のイタリア。それも最初は老眼用の凸レンズだけで、近視用の凹レンズが広まったのは15世紀以降です。つまり、人類の歴史のほとんどの時代、近視の人は「メガネ」なしで生きるしかありませんでした。
外敵や獣から身を守る必要があった時代、遠くが見えないことは命に直結しました。狩りができない、危険を察知できない。近視の人は家族に頼らなければ生き延びることも難しかったと考えられています。
あの時代、近視はまぎれもなく「障害」だったのです。
でも、それは「目が悪い」からではありません。社会の側に、それを補う道具がなかったからです。メガネが発明され、誰でも手に入るようになったことで、近視は「障害」ではなくなりました。変わったのは目ではなく、環境の方です。
「障害」とは、本人の特性ではなく、本人と環境の「噛み合わなさ」のこと。
環境が変われば、「障害」は消える。私たちはそう考えています。
読み書き困難も、今まさに同じ状況にあります。「学びのメガネ」がまだ行き渡っていないから、「障害」と呼ばれている。ならば、その「メガネ」を届けることが、私たちの使命です。
学生の頃、少年漫画の主人公に憧れていました。がむしゃらに努力して、壁にぶつかっても諦めず、最後にはやり遂げる。そんな風に生きたかった。
でも現実は違いました。一生懸命やっているのに続かない。学年が上がるにつれてそれがドンドン加速していく。周りはできているのに、なんで自分だけできないんだろう。ずっとそう思いながら、「自分はこんなものか」と心に蓋をしていました。
代表の森分が自身のディスレクシアに気づいたのは、37歳のときでした。
もっと早く知っていたら。もっと早く、自分に合った学び方に出会えていたら。その思いが、もじソナをつくる原点にあります。
今この瞬間にもこの特性と戦っている子ども、親御さん、支援されている方々がいる。だからこのアプリをつくっています。
読み書き困難を抱える子どもたちは、知能が低いわけではありません。
考える力はある。話すこともできる。タイピングやフリック入力もできる。
ただ、「文字を読む、紙に書く」という学び方だと、間違える、時間がかかる、疲れるんです。
近視の人に「もっと目を凝らしなさい」とは言いません。メガネをかければいい。それと同じで、読み書き困難の子に必要なのは「がんばり」ではなく、別の学び方です。
もじソナは、その「別の学び方」をつくるツールです。
教材をタブレットで撮影するだけで、読みあげてくれる。声でもキーボードでも書ける。考える力は最初からあるのだから、「読む・書く」の部分さえ補えば、その子の力はそのまま発揮されます。
縦書きと横書きが混在するプリント。入り混じる振り仮名。多様な回答欄の形式。教室にあるいろんな教材に、子どもがタブレットで撮るだけで使えるようにする。技術的に何度も壁にぶつかりましたが、本当にたくさんの当事者・保護者・先生方の声を聞き続け、ここまでたどり着きました。
「あの子が助かる!」と職員室を走り回って意見を集めてくれた先生。
「もうちょっとこうした方がいい!」と遠慮なく言ってくれた子どもたち。
もじソナの機能の一つひとつは、そういった声から削り出されたものです。
学び方は人それぞれです。読む方が合う子もいれば、聞く方が合う子もいる。それは「障害」ではなく、ただの「違い」です。そしてその違いに合った道具があれば、誰も困らない。
私たちは、この未来を実現するために二つの軸で取り組みます。
合理的配慮としての使用。困難を持つ子ども一人ひとりに、その子に合った学び方を届ける。近視の人がメガネをかけるように、必要な子が、環境や学年によらず、途切れることなく、もじソナを使えるようにすること。
基礎的環境整備としての普及。個人への配慮にとどまらず、全国どこの学校でも使えるインフラとして普及させる。必要な人が使うそこにあるスロープのように、もじソナをどこで生まれても、どこの学校に行っても当たり前に使えるようにすること。
この両輪が揃ったとき、読み書き困難に対して、「障害」という言葉は自然と不要になる社会がやってくると信じています。
「読み書き困難が昔は障害だったんだって」と言える未来を、
私たちはつくります。
どこで生まれても、どこの学校に行っても、
当たり前に学び方を選べられるように。
「もじソナ」は、読み書きに困難(ディスレクシア、外国ルーツ、聴覚優位等)を感じる子どもたちのための学習支援ツールです。カメラ撮影やデータインポートした教材をすばやく読み上げ、音声入力できる環境を実現します。各種タブレットのブラウザでご利用できます。
▼ もじソナ公式サイト:
https://mojisona.com/
会社概要
参考:代表取締役 森分啓太へのインタビュー
居眠り新入社員が子どもの未来を変える! 起業して「もじソナ」を開発
■ 本件に関するお問い合わせ先
株式会社Nanka 広報担当
MAIL:info@nanka.net