ジャンボフェリー株式会社(本社:神戸市、代表取締役社長:山神正義)は、神戸~小豆島~高松を定期運航するフェリーの有料個室の利用者を対象として、下船時における、個室内セルフ・クリーニングへの協力に対する動機づけを行うための特典付与システムを開発いたしました。
運用開始は、2024年11月16日(土)の予定です。
本システムは、プログラミングをJavaScriptのみで完結させることで、開発に要するコストや時間を大幅に削減しています。また、特典付与のためのQRコードをウェブアプリ上で発給する仕組みとしているため、イベント来場者向けの特典付与や、アンケート回答者向けの特典付与などにも応用可能です。
ユーザーの行動を促すトリガーとして多方面での活用が期待されています。
・システムの利用方法
※特典券のセルフ発券時、QRコードと「個室利用のQRチケット」との照合による不正利用防止チェックを実施
セルフ発券機の詳細は[ https://ferry.co.jp/news/40865/ ]をご覧ください。
・キャンペーンでの実装例
11月16日から開始する「お部屋を掃除して、ふねカフェを楽しもう」キャンペーンにて、実装を開始します。
詳細を見る
・導入の背景と効果
ジャンボフェリーは、2022年10月の新船あおい導入に際し、完全チケットレスのQRスマート乗船によって、「カギの受渡し業務」を発生させることなく、船内客室の個室化を実現しました。
一方で、神戸~小豆島~高松の3点間を24時間ピストン運航するという航路の特性上、電車やバスのように、個室を利用される方が短時間で頻繁に入れ替わることから、個室の利用者に対し、下船時に、次に利用する方のために室内のお片付けへのご協力をお願いしているところです。
今回のシステムは、下船時における個室のセルフ・クリーニングにご協力いただけるお客様に対して、スタッフが介在することなく、低廉なランニングコストでの特典付与を実現するものであり、これによって、ご協力いただけるお客様のモチベーション向上につながることを期待しています。
・システムの特徴
1. 国内フェリーとしては初めてのシステム構成で自社開発
本システムは、スキャンしたQRコードの加工・印字用データの生成・印刷をすべてJavascriptを活用して自社開発を行いました。
チケットの印字データのレイアウト調整やプリンタ用データへの変換機能をReceiptlineモジュールで、印刷ダイアログ等を介在せずプリンタへデータを直接送信する機能をSerialportモジュールで実装し、お客様はQRコードをスキャナにかざすだけで簡単にチケットを発券できます。
この構成を使ったサービスの導入は、国内フェリーとしては初めての試みとなります。
2. Receiptlineの活用
Javascriptだけを使用したレシートプリンタからの印刷は、一般社団法人オープン・フードサービス・システム・コンソーシアム様が2020年に開発したレシート記述用マークダウン言語「Receiptline」(レシートライン)によって可能となりました。
Receiptlineでは、印字レイアウト調整やQRコード・バーコードの印字を、Javascriptで生成したシンプルなテキストデータで再現できます。これにより、制御用プログラミング言語の学習コスト・プログラム製作時間・開発費用の削減、そして汎用プログラミング言語ならではの高いカスタマイズ性や高速な処理を実現することが出来ました。
3. シンプルで汎用性の高いシステム構成、幅広い活用方法
QRスキャナなどの周辺機器と組み合わせ、事前にウェブ等で発行した確認用QRを使用すれば、キャンペーンの参加票やチケットとして、お知らせのチラシとして、受付済みの確認票として、様々な場面で活用が可能となるほか、スタッフの省人化・省力化に繋がります。
またコア機能(印字やUSBポートの制御)はほとんどオープンソースで提供されていて、学習コストが比較的低いJavascriptで使用できるため、低廉かつ迅速な開発が可能です。
さらにキャンペーンなどにあわせ、自社内だけで希望の追加機能をすぐに盛り込みやすい点も、本システムの構成のメリットです。