解体工事DXプラットフォーム「クラッソーネ」を運営する株式会社クラッソーネ(愛知県名古屋市、代表取締役CEO:川口 哲平、以下「当社」)は、兵庫県朝来市(以下、「朝来市」)と「空家等除却促進に係る連携協定」を締結いたしました。昨今、全国的にも社会課題となっている空き家問題への対策として、朝来市の空き家除却を推進することで、安全安心なまちづくりを目指します。また本締結で、当社の自治体連携の実績は118自治体(行政運営の団体含む)、兵庫県内では8自治体となり、県内人口カバー率は45.8%になりました(※1)。
左:朝来市長 右:クラッソーネ執行役員 山田浩平
協定締結の背景
近年、空き家が増加し社会課題となっています。総務省発表「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」(※2)によると、全国の空き家数は900万戸、空き家率は13.8%と、過去最高の水準となっています。兵庫県では、賃貸や売却用の住宅、別荘などを除いた空き家の戸数は17万3000戸となっており、総世帯数に対する割合としては前回調査と比べて0.5ポイント増えて6.2%となっています。
朝来市では、同調査において空き家数が2,830戸(前回2,560戸)、うち賃貸や売却用の住宅、別荘などを除いた空き家の戸数が1,750戸(前回1,620戸)となっています。 こうした空き家に対応するため、平成30年3月に朝来市空家等対策計画を策定し対策に取り組んでいます(令和?5年3月第2次計画策定)。 空き家は個人の資産であり、所有者等が自らの責任により適切に管理することが原則ですが、老朽化した空き家の放置が問題となっており、除却促進に繋がる情報発信の更なる充実を図ることが求められています。
当社は、解体工事領域で、全国2,000社以上の専門工事会社と施主をマッチングするサービス「クラッソーネ」を運営しており、これまでに累計15万件以上のご利用者実績(※3)があります。また、「解体費用シミュレーター」や「すまいの終活ナビ」を利用した公民連携での空き家対策事業が、令和3年度から令和5年度の国土交通省「住宅市場を活用した空き家対策モデル事業」に3年連続で採択され、現在は全国117自治体(朝来市除く)と公民連携による空き家対策を進めています。
今回、朝来市や当社のそれぞれが持つ資源や特長を活かしながら、朝来市内の空き家の除却促進に向けて連携協力を図り、空き家の適正な管理の推進に寄与することを目的として、協定の締結に至りました。取り組みを通じて、空き家の課題を解決するとともに、当社運営の「解体費用シミュレーター」をはじめとしたIT技術やデータを活用して、自治体担当者の住民対応の質の向上や業務効率化など、自治体DXの推進に寄与します。
協定に基づく主な取り組み内容
- 空き家所有者に対し、解体の概算費用を提示する「解体費用シミュレーター」を紹介(URL:https://www.crassone.jp/simulator/hyogo/asagoshi)
- 市民が自身の空き家の状況を把握できる「空き家の迷惑度診断」を紹介
(URL:https://www.crassone.jp/simulator/akiya-diagnosis/hyogo/asagoshi)
- 解体による固定資産税の上昇額や維持管理費用等が分かる「固定資産税シミュレーター」を紹介
(URL:https://www.crassone.jp/simulator/fixed-asset-tax/hyogo/asagoshi)
- 市民や空き家所有者からの相談や空き家対策施策に、当社のサービスや情報を活用
代表コメント
朝来市長 藤岡 勇 氏
朝来市では、生活様式や社会ニーズの変化などにより空き家が増加しており、適切な管理が行われていないものも数多く存在します。こうした空き家に関するさまざまな課題を解決するためには、市民・事業者・自治体が連携協力することが重要であると考えています。今回の連携協定締結により、管理不全な状態にある空き家の除却や利活用が促進されることを期待しており、「人と人がつながり幸せが循環するまち」の実現に向け、今後も市民の皆さんとともにまちづくりを進めていきます。
株式会社クラッソーネ 代表取締役CEO 川口 哲平
当社は「『街』の循環再生文化を育む」というビジョンを掲げ、解体工事を通じて多くの人々の豊かな暮らしの実現を目指しています。事業を行う中で、空き家問題の高まりを感じており、またその解決には自治体と民間事業者の連携が重要だと考えています。この度、朝来市と連携協定を締結し、解体の領域で空き家対策のご支援ができることを嬉しく思います。弊社の解体に関する知識や経験・IT技術を活用し、安全安心なまちづくりの推進に尽力してまいります。
「解体費用シミュレーター」とは
スマートフォンやパソコンから10個の質問に答えるだけで、遠隔地からでも解体費用の相場が把握可能なサービスです。過去12万件の見積もりデータをもとに概算費用を算出しており、個人情報の登録をすることなく利用することができます。
「空き家の迷惑度診断」とは
空き家の外観や敷地内の状況に関する22個の質問に答えることで、「特定空家等」の予備軍である「管理不全空家等」として指定される可能性を「空き家の迷惑度」として診断します。 国が示したガイドラインに基づいた設問となっており、簡単に所有する空き家が管理不全空家等に指定される可能性があるかを確認することができます。所有者が自身の空き家の状況を認識できるようにし、適切な空き家の管理を促します。
「固定資産税シミュレーター」とは
固定資産税の納税通知書に記載がある情報を入力することで、
1.解体後の固定資産税の上昇額
2.空き家を維持し続けた場合にかかる費用
3.解体後3年以内に土地を売却した場合の収支試算
を確認することができます。建物を解体すると固定資産税が上がることで解体をせずに放置されてしまう事例が多くある中、放置したほうがコストがかかる場合もあることを示し、空き家の適切な解体を促します。
これまで連携協定締結実績のある兵庫県内の市町村
神戸市、尼崎市、播磨町、豊岡市、明石市、三木市、太子町
朝来市について(概要)
朝来市は、兵庫県のほぼ中央部に位置し、京阪神からは鉄道、高速道路等を利用しておよそ1時間半から2時間で、また、姫路からはJR播但線や播但連絡道路等を利用しておよそ1時間で直結する距離にあり、但馬・山陰地方と京阪神大都市圏を結ぶ交通の要衝の地にあります。
朝来市は南北約32km、東西約24kmの範囲に広がり、総面積は403.06平方キロメートルで県全体の4.8%を占めています。また、市内には、茶すり山古墳を始めとする多くの古代遺産、国史跡の竹田城跡や史跡の生野銀山などの中世から近世にかけての遺産、また、由緒ある神社・仏閣・各地に伝わる伝統芸能などの歴史文化遺産のほか、豊かな自然を活かした四季折々の自然に包まれたキャンプ場、公園、温泉などが市内には数多くあります。
株式会社クラッソーネについて(会社概要)
(※1)総務省「【総計】令和6年住民基本台帳人口・世帯数、令和5年人口動態(都道府県別)」より算出。都道府県連携や行政団体の対象自治体は省き、市区町村との締結を対象として算出した。
(※2)総務省「住宅・土地統計調査」:https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/tyousake.html
(※3)旧サービス「くらそうね解体」の実績含む