プレスリリース

ソルガムを原料とした安価なバイオエタノール国産製造プロセスの構築を目指す、バイオエタノール製造の産学連携コンソーシアム「J-BAS」に参画

リリース発行企業:木村化工機株式会社

情報提供:

木村化工機株式会社(以下「当社」)は、一般社団法人日本産業機械工業会(以下「当会」)が、持続可能な航空燃料「SAF」※1の供給拡大とカーボンニュートラル社会の実現に向け、ソルガム※2を原料とした安価なバイオエタノール国産製造プロセスの構築を目的として創設した産学連携コンソーシアム「J-BAS(Japan Bio Alcohol from Sorghum)」に参画します。バイオエタノールを製造する際の「前処理」、「発酵」、「蒸留」、「高純度化」の4つのプロセスにおいて、当社は「水熱処理技術」、「膜処理技術」、「蒸留技術」によって貢献することができます。特に、発酵直後のアルコール濃度が低いエタノールを蒸留するプロセスにおいて、CO2の排出量を大幅に削減する「ヒートポンプ式バイオエタノール蒸留装置」の導入を提案しています。当社は国産SAFの商用化と普及拡大に取り組む有志団体「ACT FOR SKY」※3にも、2024年4月に加盟しております。


図1.ヒートポンプ式バイオエタノール蒸留装置

 
- ※1.「SAF」は、Sustainable Aviation Fuel(持続可能な航空燃料)の略称で、循環型の原料で製造された航空燃料を化石由来のジェット燃料の代わりとなる、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の排出量を抑えられる燃料。
- ※2.「ソルガム」は、モロコシやタカキビとも呼ばれる穀物で、アフリカが原産地であり、日本には遅くとも室町時代には伝わったとされる。実以外の茎などがバイオエタノールの原料となる。信州大学 工学部 物質化学科 生物化学研究室の天野良彦教授は、長年ソルガムの利活用をはじめとするバイオマスの研究を続けている。
- ※3.「ACT FOR SKY」は、持続可能な航空燃料SAFの普及・拡大を目指す、オールジャパンの企業や自治体等からなる有志団体。事業として国産SAFに直接関与し、サプライチェーン構築の主体となる企業(ACTメンバー)と、国産SAFのサプライチェーン構築に必要となる企業や自治体等(SKYメンバー)が加盟している。URL:https://actforsky.jp/

 
 
●J-BASの概要
・J-BAS創設の背景
 現在、航空業界は世界的な脱炭素化の潮流の中にあります。国際民間航空機関(ICAO)や国際航空運送協会(IATA)は、2050年までに二酸化炭素排出量を2005年比で半減させるという高い目標を掲げています。
 この実現には、2030年までに使用燃料の10%をSAFへ移行することが不可欠であり、日本政府(国土交通省)も「本邦エアラインによる燃料使用量の10%をSAFに置き換える」という明確な目標を策定しました※4。しかし、2020年時点の世界のSAF供給量は、ジェット燃料全体のわずか0.03%にとどまっており※5、需給ギャップは依然として極めて大きい状況です。このギャップを埋めるためには、革新的な製造技術と安定的な国産供給体制の基盤づくりが喫緊の課題となっています。
 そこで、日本国内の産業機械及び関連産業の発展を図る業界団体である、一般社団法人日本産業機械工業会は、SAF(Sustainable Aviation Fuel)の供給拡大とカーボンニュートラル社会の実現に向け、ソルガムを原料とした安価なバイオエタノール国産製造プロセスの構築を目的とする産学連携コンソーシアム「J-BAS(Japan Bio Alcohol from Sorghum)」を創設しました。
一般社団法人日本産業機械工業会 URL:https://www.jsim.or.jp/
 
- ※4 国土交通省 航空局「第1回SAFの導入促進に向けた官民協議会 説明資料」(2022年4月22日)
- ※5 経済産業省 資源エネルギー庁「持続可能な航空燃料(SAF)の導入促進に向けた官民協議会」について(2022年4月)

 
・J-BASのミッション
 J-BASは、従来のバイオエタノール製造プロセスを「ものづくり」の視点から再構築し、プラント実証や商用化につながる技術開発の確立に注力します。具体的には、以下の2つを重点領域として取り組みます。
1.エンジニアリング技術の統合
  原料粉砕・輸送、熱回収、反応制御、膜分離、蒸留、そしてプラント構築に関わる国産の産業機械技術をパッケージ化し、最適な製造プロセスの確立に向けて総合的に検討します。
2.製造プロセス全体の最適化によるコスト低減
  単一の技術開発にとどまらず、製造プロセス全体を一つのシステムとして最適化することで、国産バイオエタノールの低コスト化を目指します。その他、J-BASでは、エンジニアリングの統合および製造プロセス全体の最適化を検討します。あわせて、国産酵素の活用、原料作物としてのソルガムの特性の整理、将来の実証・商用化を見据えたスケール検討などについても、技術開発を支える補完的な要素として検討を進めます。
 当社は記1.2.の重点領域に「水熱処理技術」、「膜分離技術」、「蒸留技術」によって貢献します。
 
●バイオエタノール製造において当社が貢献できる技術
・バイオエタノール製造プロセス
 ソルガムをはじめとする木質系ソフトセルロース原料からバイオエタノールを製造する際には、「前処理プロセス」で、原料を構成するセルロース、ヘミセルロース、リグニンを酸又はアルカリで可溶化した後、「発酵プロセス」で糖化を経てアルコール発酵します。さらに「蒸留プロセス」でエタノール液の濃度を高め、「高純度化プロセス」で99.5%以上のエタノールに濃縮します。
 
・木村化工機が貢献できる技術
 この4つのプロセスにおいて、当社の技術は次のように貢献します。

図2:バイオエタノール製造プロセスにおいて木村化工機が貢献できる技術

 


 
●当社が開発した「ヒートポンプ式バイオエタノール蒸留装置」
 従来、低濃度のエタノールを濃縮する蒸留プロセスは、製造プロセス全体の消費エネルギーの大半を占めていました。
 当社はSAFの原料用バイオエタノールを蒸留する際の消費エネルギーを大幅に低減する「ヒートポンプ式バイオエタノール蒸留装置」(以下「本装置」)を開発し、2023年から販売しています。2024年には本装置のシステムとシミュレーションプログラムを開発し、特許を出願しました。
 本装置はボイラ蒸気を不要とし、電力のみで蒸留を行います。ヒートポンプが装置から排出される低温レベルの熱を回収し(理論回収率99.0%)、有効エネルギーとして再利用します。製品当たりの消費電力量は0.7kWh/Lと省電力で運転でき、再生可能エネルギー由来の電力を使用することで、CO2排出量がゼロとなります。
 
 
■会社概要
木村化工機株式会社は、資源循環・低環境負荷のエネルギー供給などを通して、製造業の持続可能性・持続可能な社会づくりに貢献する総合エンジニアリング会社です。蒸発・蒸留装置の省エネとCO2排出削減において業界トップクラスの技術力と研究開発力を有しています。
 会社名 :木村化工機株式会社
 本社  :〒660-8567 兵庫県尼崎市杭瀬寺島二丁目1番2号
 代表者 :代表取締役会長兼社長 小林 康眞
 事業内容:エンジニアリング事業、化工機事業、エネルギー・環境事業
 TEL :06-6488-2501(代表)
 URL :https://www.kcpc.co.jp/
 
・当社がめざす蒸留におけるCO2排出ゼロ
当社は化学プラントで大量に排出されているCO2を削減するために、ボイラ蒸気を使用せずに100%電力のみで蒸発・蒸留を可能とする各種「省エネ型ヒートポンプ式蒸発・蒸留装置」を開発してきました。当社は2017年に「ヒートポンプ式メタノール蒸留装置を開発し、2017年に「省エネ大賞 経済産業大臣賞」を受賞、2018年に「環境大臣表彰」を受賞しました。「ヒートポンプ式バイオエタノール蒸留装置」はこの装置を発展させ、消費エネルギーを大幅に削減したものです。当社は、「蒸留にはボイラ蒸気が必要」との固定概念を打ち破り、電化によるCO2排出ゼロを目指しています。
 URL  :https://www.kcpc-engineering.co.jp/ede/

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