高砂の荒井神社(高砂市荒井町)で6月28日、釜に仕立てた熱湯を参拝者に振りまき無病息災を祈願する「湯立祭(ゆたてさい)」が執り行われた。
同神社の湯立祭は播磨地方の史誌「播磨鑑(はりまかがみ)」に記載されていることから、江戸時代以前から行われているとされている。振りまかれた湯の滴を浴びることで夏の間の健康を願う意味があるという。
20時ごろから始まった神事では巫女(みこ)が釜の前に現れ、舞を披露しながらササの葉を湯に浸し、滴を参拝者に振りかざしていった。参拝者らは100度近くある湯に、熱がりながらもその場を離れず、身を引き締めながら湯を浴びた。
神事が終わると使われていたササの葉が参拝者に授与された。神聖な植物とされるササの葉を玄関につるしておくことで家内の魔よけになるという言い伝えがあり、参拝者らはこぞってササを求めた。
毎年祭りに訪れるという地元の小学6年生の児童は「今年は湯をかけられても逃げずに我慢できた。健康で元気あふれるいい夏にしたい」と笑顔を見せた。