高砂南高校(高砂市西畑)で6月15日・16日、文化祭が行われ、吉本興業の漫才師から「笑い」の授業を受けた生徒3組が漫才を披露した。
吉本興業所属の陣内智則さんや新喜劇の吉田裕さんの出身校でもある同校。昨年の文化祭に吉田さんが来校したことをきっかけに、笑いで表現力や想像力を身につけてもらおうと今年4月から「総合的な学習の時間」を使って、放送作家や漫才師による授業を行ってきた。
授業に参加しているのは3年生の生徒19人。生徒同士が9組のコンビやトリオを結成し、吉本興業所属のお笑いコンビ「ヒガシ逢ウサカ」から漫才の指導を受けた。
吉本興業では、企業や大学への講師派遣は行ったことはあるが、高校へ継続的に関わるのは初の試みという。
文化祭では、9組のうち事前審査会で評価が高かった3組が出演。集まった全校生徒約800人と保護者や家族など400人の前で、練習を重ねた漫才を披露し、会場からは大きな笑い声が起こった。
生徒の漫才の後にはサプライズゲストとして吉本所属のお笑いコンビ「アインシュタイン」「女と男」が登場。発表した生徒たちとのトークショーで会場は盛り上がりを見せた。
トップバッターとして漫才を披露した西脇生奈さん、山崎輝音さんのコンビは「芸人さんが好きでこの授業を受けたが、ステージではめちゃくちゃ緊張した」と振り返る。佐伯龍之輔さんと角本大祐さんは「発表は楽しかった。普通の漫才はしたくなかったので少し変わったネタにした。プロの漫才はアドリブもスムーズで盛り上がりを見ながら考えて話しているところがすごいと思った」と話す。
トリオ漫才を披露した西村明日香さん、小林愛純さん、橋本由衣菜さんは「思っているところで笑いがこなかったので緊張した。次の授業からは新喜劇になるので12月の発表会では今日以上に笑いを取りたい」と意気込む。
同校教諭の内橋伸幸さんは「授業に参加している生徒が生き生きとしている。事前の審査会では、文化祭での発表に選ばれなかった子が涙を流すなど、思っていた以上に生徒が真剣に取り組んでいた。今後の授業でも表現力や想像力を磨いていってほしい」とエールを送る。