70年以上の歴史を持つパンメーカー「高砂食品」(高砂市高砂町)の揚げパンが市民プールで人気を呼んでいる。
戦時中よりパンの販売を始め、終戦直後1948(昭和23)年に株式会社を創立。今年3月に70年を迎えた。地元では「ふじやのパン」として親しまれ、現在は、小学校の給食やスーパーマーケットでも販売している。
夏に人気となるのが高砂市民のプールで販売している揚げパンで、砂糖をまぶした定番の「棒フライ」や一番人気の「きなこフライ」など現在は6種類を販売している。夏休み中、平均すると一日に平日で500個、土日には1000個以上が売れるという。
専務の藤本憲裕さんは「市民プールでは60年以上揚げパンを販売している。一日に1700個以上売れた日もある」と話す。「子どもの頃に食べた人が自分の子どもに買ってあげたり、口コミで神戸や姫路から来た人が『一度食べてみたい』と購入したりしている」とも。
市民プールに親子4人で遊びに来ていた母親の西村智子さんは「30年ほど前に親と市民プールに来たら揚げパンをよく食べていた。泳いで疲れると甘いものが欲しくなる。揚げているのでガリッとした食感も好きだった」と話し、この日も家族で揚げパンを頬張った。
藤本さんは「揚げたてのパンを食べてもらってみんなが笑顔になって幸せを感じてもらえたらうれしい」と話し「新作の菓子パンを作ることも必要だが昔ながらのパンに磨きを掛けることも大事。パンは生き物なので気持ちを込めて育て一つの作品に仕上げていきたい」と意気込む。