オートバイメーカー「カワサキ」の契約ライダーとして1960年代に活躍した加古川在住の山本隆さんが、第一線を退いた現在も現役ライダーとして競技大会に出場し続けている。
1943(昭和18)年加古川市生まれの山本さんは現在73歳。14歳で原動機付自転車免許を取得し、オートバイ競技に興味を持ったという。
17歳からアマチュアライダーとして「モトクロス」オートバイの競技大会に出場するようになり、翌年兵庫県モトクロス大会で初優勝を飾った。
山本さんは数々の大会での成績が認められ、20歳で「カワサキオートバイ販売」(現カワサキモータースジャパン)の契約ライダーとなり、3年連続でモトクロスの全日本チャンピオンになるなど国内トップライダーとして活躍した。
29歳の時、「体力の限界とスピードへの恐怖心が芽生えた」としてカワサキとのライダー契約を終了。以降インストラクターやアドバイザーとしてオートバイ競技に関わり、後進の育成や競技の普及に尽力してきた。
現在は、「山本レーシングサービス」(加古川市野口町)で競技用バイクの販売や修理メンテナンスを行う傍ら、現役ライダーとしてアマチュアの競技大会に出場している。
山本さんは「出場する競技は『トライアル』。スピードを競うモトクロスに対し、マシンテクニックがより必要になる」と話す。「トライアルはやってみると奥が深く、難しさを感じる」とも。
山本さんは現在、40歳以上が出場できる「四十雀(しじゅうから)トライアル大会」2連覇中で、今年5月に京都府亀岡市で開かれたトライアル大会では上級クラスで優勝するなど、ライディングテクニックは落ちていないという。
今後について、山本さんは「身体もあちこちが痛くなってきているが、バイクには乗り続けたい。トライアルだけでなくツーリングなども楽しみたい」と笑顔を見せる。