加古川市内で唯一の酒蔵「岡田本家(加古川市野口町、TEL 079-426-7288)」は、今年製造する「盛典」の生原酒のラベルを一新、同社の印影をモチーフにしたシンボリックなデザインを採用した。
1874年に創業した同社では清酒「盛典」を製造。「盛典」の中でも生原酒は加熱処理「火入れ」を行っていない原酒(しぼったままの清酒)で、本来の味と香りを楽しめるのが特徴となる。
同社は2年前に純米吟醸の生原酒の製造を開始したが、製品はできたものの、瓶に貼るラベルがなかった。「ラベルはわかりやすいハンコを押しただけでいいので、とにかく入荷できないか」という取引先の酒販店のひとことがきっかけで、当時酒蔵の整理をしていた際に見つけた印鑑をラベルに手押しして出荷していた。
杜氏(とうじ)の岡田洋一さんは「ラベルのリニューアルにあたり、当時の印鑑を押したラベルのわかりやすさを残したかった」と話す。この印影をモチーフにしたラベルは「特別純米生原酒」と「純米吟醸生原酒」に使われる。
今年は仕込みが始まった11月になっても、なかなか気温が下がらず原料となるもろみが発酵する際に出る熱の温度管理が難しかったというが、「完成度には例年通りで満足」と岡田さんは笑顔で話す。
ラベルが一新された生原酒は同社ホームページまたは直売所(同社敷地内)で販売する。
営業時間は9時~18時。月曜定休(冬季の仕込み時期の間は無休)。