高砂出身の作曲家・田中唯介さんが5月21日、日本作曲家協会功労賞を受賞した。
田中楽風の名で作曲活動を行う田中さんは、「まぶたの桟橋・舞鶴よ」をはじめとした作曲活動のほか、アコーディオン奏者として福祉施設での演奏活動、自身のシベリア抑留・引き揚げ体験を語る講演活動を定期的に行っている。
高砂では楽器店「田中音楽堂」を経営し、楽器の販売や修理に加え、ギターやアコーディオンを教える教室を開くなど、93歳の現在も多方面で活動している。
今回の受賞は、長年にわたる作詞・作曲活動や地域での福祉活動が評価された。田中さんは「人々の健康と街の活性化のためにやるべきことがたくさんあると思って活動している。行政や地域の方から講演や演奏の依頼も多い」と話す。
7月には、姫路市の護国神社で戦争体験を語り継ぐ講演会に講師として参加し、アコーディオンを使って弾き語りを行う。
田中さんは「アコーディオンは童謡からクラッシックまで、楽しい曲も悲しい曲もなんでも弾けるのが魅力。弾くだけの人はたくさんいるが、弾いて、歌って、語る人はほとんどいない。世界で一人のエンターティナーを目指してこれからも頑張っていきたい」と笑顔を見せる。