古野電気株式会社(本社:兵庫県西宮市、代表取締役社長:古野幸男、以下 当社)は2026年11月より、新製品であるデュアルバンドGNSS基準周波数発生器(GNSSDO※1)「GF-100シリーズ(型式:GF-102 / GF-103 / GF-105S / GF-105G)」の発売を予定しています。


2026年11月(予定)
GNSSを利用した時刻同期は、通信・電力・金融・放送など社会を支える重要インフラの基盤技術です。これらのインフラが正確な時刻に依存して稼働している一方、近年、妨害波(ジャミング※2)やなりすまし信号(スプーフィング※3)によるGNSS信号への脅威が現実のものとなりつつあります。こうした環境下で求められるのは、何か起きた場合にもサービスを継続できる堅牢性です。従来のホールドオーバー機能は、落雷によるアンテナ故障などGNSS信号の受信断を主に想定していました。一方、ジャミングやスプーフィングでは、受信機が異常な信号を掴み続ける場合があります。この場合、従来の仕組みだけでは十分に対応できません。GF-100シリーズは、こうしたGNSS信号の異常を能動的に検知し、内蔵発振器による自走運転(ホールドオーバー)に自ら移行することで、異常な信号による悪影響を回避しながら安定した時刻同期を継続します。
GF-100シリーズは、日常的な受信環境の劣化から意図的な妨害までさまざまな脅威に対して多層的に防御する設計(Defense in Depth)を採用しています。また、正確な時刻同期を必要とする機器は、業務用無線基地局やPTPグランドマスタークロック、放送設備、電力監視装置など多岐にわたります。GNSSDOは、デュアルバンドGNSS受信機と高精度発振器を1つのモジュールに統合した製品であり、機器メーカーはGNSS脆弱性対策を含む時刻同期機能を自ら開発することなく製品に組み込むことができます。GF-100シリーズは、こうした機器メーカーの開発効率の向上と製品の市場投入時間の短縮に貢献します。
1.GNSS信号異常検知時の能動的ホールドオーバー
ジャミングやスプーフィングなどの信号異常を検知した場合、自動的にホールドオーバーに移行し、異常な信号の影響を受けることなく安定した時刻同期を継続します。本機能の有効・無効は、運用要件に応じて設定可能です。従来のアンテナ故障等による受信断への対応に加え、意図的な電波干渉にも能動的に対処できるよう設計を拡張しました。

能動的ホールドオーバーの様子
2.L1 / L5デュアルバンド受信とL5完全独立サーチ
従来のL1シングルバンドに対し、L1 / L5デュアルバンドに対応しました。GF-100シリーズは、L1帯に依存せずL5帯の独立サーチ機能を搭載しています。L1帯の受信環境悪化の場合もL5帯を活用して時刻同期を継続できます。
3.GNSS信号認証(OSNMA / QZNMA)
Galileoの信号認証機能「OSNMA※4」およびQZSSの「QZNMA※5」に対応しました。受信したGNSS信号の真正性を確認することで、なりすまし信号による時刻異常のリスクを低減します。
4.ダイナミック・サテライト・セレクション(TM)※6
都市部特有のマルチパス※7環境において信号品質の高い衛星を動的に選択し、高精度な時刻同期性能を維持します。
5.T-RAIM(Time Receiver Autonomous Integrity Monitoring)
時刻同期に使用する衛星信号の信頼性を常時評価し、異常な衛星信号を自動的に排除します。
6.コンパクト設計とハードウェア互換性
Short(34×27×15.5mm)とGrande(100×52×14.1mm)の2種類のフォームファクタを用意しています。従来、最上位の±1.5?s / 24hホールドオーバー性能はGrandeフォームファクタ(GF-8805)でのみ提供していましたが、GF-105Sにより同等性能をShortフォームファクタで実現しており、実装面積を約80%削減しました。全機種で現行GF-88シリーズとのハードウェア互換性を確保しており、既存機器への置き換えが容易です。
時刻同期用マルチGNSSアンテナ「型式:AU-500」と組み合わせることで、GF-100シリーズの性能を最大限に発揮します。「型式:AU-500」は高いノイズ耐性とIP67の耐環境性能を備えています。
当社は、ノルウェー・アンドーヤで開催されるGNSS脆弱性の国際検証イベント「ジャマーテスト」に2024年より継続的に参加しています。実際のジャミング・スプーフィング環境下でGNSS受信機の耐性を検証するイベントで、2026年9月には、GF-100シリーズを用いた実環境での耐性確認テストを実施予定です。GF-100シリーズには、これまでのテストで得られた知見が反映されています。

時刻同期用マルチGNSSアンテナ「型式:AU-500」

ジャマーテストでの検証時の様子
当社では今後も、GNSS技術と時刻同期技術を通じて、通信・放送・電力などの社会インフラの安定運用を支え、「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」に貢献してまいります。
※1 GNSSDO:GNSS Disciplined Oscillatorの略。
GNSS信号を利用して高精度発振器を制御し、安定した周波数と時刻信号を出力する装置。
※2 ジャミング:妨害電波を発信してGNSS信号の受信を妨害する行為。
意図的な妨害に限らず、周辺の通信設備等から発せられる電波がGNSS信号に干渉する場合も含む。
※3 スプーフィング:偽のGNSS信号を送信し、受信機に誤った位置・時刻情報を取得させる行為。
※4 OSNMA:Open Service Navigation Message Authenticationの略。Galileoが提供する信号認証機能。
※5 QZNMA:Quasi-Zenith Navigation Message Authenticationの略。QZSSが提供する信号認証機能。
※6 ダイナミック・サテライト・セレクション(TM):NTTが考案したアルゴリズムに基づく耐マルチパス技術。
※7 マルチパス:衛星信号が建造物等に反射して複数の経路で受信機に到達する現象。時刻同期精度の劣化要因となる。
- GF-100シリーズ製品ページ
https://www.furuno.com/jp/products/gnss-timing/gf-100/index.html- GNSS受信機Webサイト
https://www.furuno.com/jp/gnss/- ジャマーテスト参加レポート
https://www.furuno.com/jp/gnss/column/202501-01/
※本リリースに記載の内容は発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがあります。

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古野電気株式会社
1948年に世界で初めて魚群探知機の実用化に成功して以来、舶用電子機器分野においてその独自の超音波技術と電子技術をもとに数々の世界初・日本初の商品を提供し続けてきました。そして今日、世界100か国以上での販売体制を確立し、世界規模の舶用電子機器総合メーカーとしての確固たる地位とブランドを築いてきました。

古野電気株式会社 研究開発棟「SOUTH WING」
本社:兵庫県西宮市
設立:1951年 (昭和26年)
事業:船舶用電子機器および産業用電子機器等の製造・販売
資本金:7,534 百万円
従業員(連結):3,411 名
売上高(連結):140,616 百万円
代表者:古野 幸男
上場取引所:東京証券取引所 プライム市場