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高砂で幻の染め物が復刻 お披露目会に100人

高砂染の復刻に取り組む寄玉さん(右)と高砂染の創業家現当主の尾崎さん(左)

高砂染の復刻に取り組む寄玉さん(右)と高砂染の創業家現当主の尾崎さん(左)

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 江戸時代に盛んに作られていた「高砂染」を復刻させようと取り組む企業「エモズティラボ」が4月28日と29日に、多目的スペース「高砂や」(高砂市高砂町)で完成した高砂染の着物を披露した。

復刻された高砂染の着物。松模様にチョウなどが舞う

 「高砂染」は江戸時代に姫路藩の特産品として作られていた染め物。江戸時代の後期には姫路藩の家老、河合寸翁が特産品として製造を奨励し、幕府や朝廷への献上品としても扱われていた。しかし明治時代に入ると徐々に衰退し、昭和初期に途絶えたとされる。

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 同社では「高砂染」を復刻させようと昨年5月に復刻プロジェクトを始動し、クラウドファンディングを活用するなど資金調達を行ってきたという。復刻された着物は江戸時代から残る古布を元に、京都市内の染物店に依頼して製作。松模様に吉祥紋が重ねられたデザインに仕立てられた。唯一現存する高砂染の着物が金色の女性ものだったことから、復刻した着物は銀色の男性ものに仕上げたという。

 お披露目会には2日間で約100人が来場。訪れた同市出身の藤本智裕さんは「とても繊細で立体感もある。高砂の松を見ているような気分になる」と感嘆していた。

 同社の寄玉昌宏さんは「最初にイメージしていたもの以上で、極上の高砂染の着物ができた。高砂染の特徴を生かしながら新しい染め物の完成をうれしく思う」と話す。同社相談役で高砂染創業家の現当主、尾崎高弘さんは「謡曲高砂の精神が入った染め物をもう一度世に出したい。今後も技法や歴史を検証しながら、21世紀の高砂染を広めていきたい」と意気込む。

 着物は5月3日に姫路神社(姫路市本町)で行われる河合寸翁例大祭でも展示される。

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